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2006年4月19日 (水)

山口「フーセンとシャボン玉に妙に喜ぶ女には気をつけろ!」

ある春の夕暮れ時、僕たちは前を歩くカップル達を見ながら話していた。やれあの男は遊び人だの、やれあの女は遊ばれてるだの、あの二人は不倫だの。適当なことばかり言って…そういう時期もある。
そんな中、あるカップルの女の方が赤いフーセンを大事そうに持っていた。それを男に見せるように上下運動させる。いわゆるフーセンで楽しく遊んでいる風景だ。男は何を思ったか、そのフーセンをパンチしたいらしく、ジャンプ&ジャンプ。これまたフーセンで楽しく遊んでいる風景だ。
それを見た僕たちがどちらからともなく言った。
「フーセンとシャボン玉に妙に喜ぶ女には気をつけろ」
その「フーセンにパンチしたい男」は一人で家に帰り、玄関を開けたら赤いフーセンが目の前にフワフワ浮いてたとしても、ジャンプしてまでパンチは繰り出さない。「フーセンに妙に喜ぶ女」にやられたのだ。

ところが先日、こともあろうに僕がやられてしまった。
僕の方は「シャボン玉に妙に喜ぶ女」にである。
その女はとにかくたくさんのシャボン玉を要求する。たくさんのシャボン玉が現れると「うわーきれーい」と妙に喜ぶのだ。「もっともっと」と言われ、どんどん作る僕。シャボン玉が彼女の目の前で割れてしまい、目に石けん水が入ってしまう。目をつぶる彼女、「大丈夫?」と心配する僕。それでも彼女はシャボン玉を要求する。
手をめいっぱい挙げて、シャボン玉に触ろうとする彼女。「とどきたい、とどきたい」と呪文のように言いながらひたすらシャボン玉と戯れる。と思ったら僕の耳を見て「サトシ君、お耳大きいね」と言った。シャボン玉に夢中と見せかけて、僕の耳の大きさまで見ている彼女にさらにやられてしまう。
そしてシャボン玉の液がなくなってしまうと、次はお絵描きだ。
彼女が「ママ」を描いてくれと言うので、かわいいママを描くと「サトシ君、きもちわるいー」と言った。僕が気持ち悪いのか、描いた絵が気持ち悪いのかはっきりして欲しかったが、その時には彼女の興味は、もう僕には無かった。
ママに絵本を読んでもらっている彼女を横目に、僕は彼女のパパとサッカーゲームをする。
彼女は3歳で、パパとママは僕と同級生だ。
「フーセンとシャボン玉に妙に喜ぶ女には気をつけろ!」と言った僕ですが、3歳の彼女にシャボン玉をプレゼントしたのも僕だったりして。次はフーセンで遊ぼうかなぁ。

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